コロナ禍での給付金付与をめぐり、浮き彫りとなったセックスワーカーへの「職業差別」。
職業での線引きに対し様々な議論が生まれましたが、これまでも当事者側は、現行の法制度や“社会通念”にあらゆる面で振り回されてきたといいます。
職業差別を生んだ背景や当事者が守られる“目指すべき社会”とは何なのでしょうか。
昨年、性風俗業界がコロナ禍による持続化給付金などの支援対象外とされたことが、「職業差別」として大きく報じられました。
社会的な偏見による差別に加え、国家の制度による身分的な差別が存在するセックスワークは、法律的に恣意的な解釈がなされたり、曖昧な立場に置かれていることで、より複雑で困難な状況に陥りがちとのこと。
一般的に困ったことがあった場合は、警察や医者、弁護士、税理士など様々な専門家を頼り、助けを求めたり守ってもらうことができると考えるはず。
しかしセックスワーカーたちは「困ったときに力になってもらうのが難しい」と言います。
「たとえば警察に相談しても『そんな仕事をしているほうも悪い』、病院にかかっても『そういう仕事をしているから性感染症になる』と言われ、『仕事をやめればいい』といった解決策で突き放されてしまったりします。
弁護士や税理士には、『いかがわしい仕事をしている人たちを顧客として迎えたくない』『そういう仕事の方はお受けしていません』という断られ方をすることもあるのです」。
また、セックスワーカーだというだけで暴言を吐かれたり、婚約破棄をされるケースもよくあるといいます。