■私の心はどこまで醜くなるのでしょうか（愚痴です）

私の事務所では、債務整理と過払い請求にとても力を入れています。
弁護士は、あと数年で過払いがなくなってしまう危機感があるようで、いつもあせっていて、イライラしている感じです。事務員のほうがパンクしそうなのに、次から次に債務整理の新件を受任して、どんどん早く回そうとします。
履歴の開示が遅い会社には、連日電話をかけて、催促を重ねることになっています。
事務所には一覧表があって、受任通知から２週間を超えた会社には、毎日午前と午後の１回ずつ、週に１０回も催促の電話をします。
電話しないと弁護士に怒られるので、事務員も必死です。自分の仕事を増やさないためにも、１日も早く履歴を開示してもらえるよう、担当者に食らいつきます。
あまりに毎日毎日電話していると、ほとんど嫌がらせではないかと自己嫌悪に陥りそうになるのですが、そう考えると心が折れてしまうので、履歴を開示しない奴が悪いんだと思うようにしてきました。
その結果、最近は自己嫌悪に陥ることがなくなり、忙しいとか手が回らないとか言って困っている担当者を言葉でどんどん追い詰めるのが快感になってきました。
１週間で開示しますと答えてきた会社には、１日でも早くなりませんかと電話攻勢をかけて、逃げられないように追い詰めます。
こちらからの電話に時間を取られれば取られるほど、向こうも忙しくなって、その分開示が遅れると考えるのが常識だと思いますが、弁護士にはその常識が通用しないので、電話をかけまくって相手の仕事を中断させて、担当者を精神的に追い込みます。
こちらには貸金業法１９条と平成１７年７月１９日最高裁判例があるので、法律事務所は絶対的に正義の味方です。金貸しは悪者です。
そして、金貸しで働いている人は全員悪者なので、正義の事務員が悪を倒すのは当然です。
１週間で開示しますと答えてきたのに、開示をしてこなかった会社に対しては、執拗に嫌味を言って、精神的に打ちのめします。
謝り続けて全く抵抗できない相手を罵倒するのは楽しいです。最近はだんだん慣れてきて、自分でも驚くほどすらすらと悪口が言えます。
一番楽しいのは、あなたは失礼な方ですねとか、とても不愉快ですとか一方的に言って、相手がすみませんと謝ったときに、謝って済むと思ってるんですかと言って、相手が黙ってしまったときです。
忙しくてなかなか手が回らないと言い訳をする卑怯な奴は、社会人失格だ、そんなことで世の中に通用するのかと怒鳴ります。
周りの事務員もみんな怒鳴っているので、事務所の日常の光景になっています。
あと、こちらはあなたの電話を全部録音してるんですと言うと、とても効果があります。
自分が話しているときに、相手が口を挟もうとしてきたら、今は私が話してるんです、最後まで聞いてください、あなたは非常識な方ですねと言って、それから一方的に攻撃します。相手が電話を切ってしまったら、すぐに掛けます。
そして、電話に出た人に、何で電話を切るんですかと怒鳴ります。その人が、最初の電話を切った人と別人のほうが効果が上がります。相手にストレスを溜めさせて仲間割れを起こして、会社の雰囲気を殺伐とさせるのが目的です。この攻撃は、開示をしてこない限り連日続けます。
とにかく、向こうは１週間で開示すると言って開示しなかった嘘つきなので、こちらは絶対的に正義なので負けることがありません。ですので、道徳的に責めます。
相手が型通りの謝罪をしてきたら、口先だけで謝っても仕方がないんですといって、道徳的に自分を責めて屈辱感を味わうようになるまで電話を切らないで追い詰めます。
相手を人間だと思ってはいけません。相手は会社です。でも、やっぱり相手は人間なので、相手の心を折らせることが目的になります。
最近、担当者が居留守を使います。いつ電話をかけても席を外しているとか、別の電話に出ているとかで、別の人が折り返し電話をさせますと言ってきます。
そんなときは、１０分もしないうちにまた電話します。この繰り返しです。最近は、どこの会社も本当に忙しそうな感じで、担当者が死にそうな声で勘弁してくださいとか、手が回りませんとか言って、嘘ではなく本当に忙しいのだと思います。
たぶん、机の上は書類が山積みで、手紙やファクスやメールも溜まっていて、人間が物理的に一人でこなせる仕事の量を超えているのだと思います。
居留守ではなく、本当に別の電話に出てばかりで、他の仕事で席を外してばかりで、精神的に限界のぎりぎりのところで仕事をしているのでしょう。
このような人を、さらに攻撃して追い詰めるのが、とても楽しくなってきました。最初は自責の念があったのですが、ある一線を越えると楽しくなります。弁護士の方針なので、事務員は別に好きでやっているのではないのですけど。
ここのところ数日、私が連日電話をかけて罵倒し、どれだけ人に迷惑をかければ気が済むんだ、人間失格だと言ってプライドをズタズタに切り裂いてきた担当者が、休暇を取ってしまいました。
別の社員が、今日は休みですが明日は来ますと言って、それでも休んで、また明日は出勤の予定ですと言って休むことが続いているので、普通の有給でないようです。
弁護士に言ったら、うつ病だろうと言っていました。たぶんそうでしょう。でも、下手に休まれて、担当者が変わらないままでいると、こちらはとても迷惑です。
弁護士は、さっさと死んでもらわないと困ると言っていました。私もそう思いました。人の死を願っても、今の私には何の良心の呵責もありません。
私の心はどこまで醜くなるのでしょうか。