パラリーガルの資格のはなし
2016.11.11 written by 眠る花
こんにちは。今日はパラリーガルの資格についてのお話です。本題の資格の話に入る前に、まずは「パラリーガル」という職業について考えてみたいと思います。
「パラリーガル」という職業名称は、もともとは米国において法律事務専門職として働く人々を意味します。かの地では大学の履修課程の中にパラリーガルの資格が取得できるカリキュラムが組み込まれているほど広く認知されており、パラリーガルという専門職は、職業として一定の地位を得ているといえます。
一方、日本ではどうでしょうか。残念ながら、現時点でわが国では「パラリーガル」という国家資格はありません。そもそも欧米では、大学で必要科目を履修して一定以上の成績を修めるなど、資格取得のための要件を満たして初めてパラリーガルになることができますが、日本では「パラリーガル」というとなんだかふわっとしていますよね。
「パラリーガル」という言葉を使う時、広義では弁護士のスケジュール管理やお茶くみなど、いわゆる秘書業務を主に担う方も含めて法律事務所で働く事務職員全般を指し、狭義では司法試験受験者のようにある程度法的素養がある人や、熟練のベテラン法律事務職員を指すなど、その定義は曖昧模糊としています。これは、"あなたを「パラリーガル」として認定する"という統一基準が日本には存在しないためともいえます。
しかし、日本にパラリーガルに関する試験が全くないわけではありません。今のところ、パラリーガルの能力を測るための試験といえば、日本弁護士連合会(通称:日弁連)が主催する事務職員能力認定試験が有名ですね。私が受験・合格した年までは、受験要件を満たす必要があったのですが、現在ではそれはなくなり、弁護士の補助業務に従事している方ならどなたでも受験することができるようになりました。
この試験、法律事務所で働く方は、一度受験してみられることをオススメします! 日本では、法律事務所の事務職員は、どなたでも受験することができます。知識を深めて日々の業務を円滑に進めたり、弁護士の先生方から安心してお仕事を任せてもらえるようになりたいですよね。試験の出題範囲は広く、問われる知識も細かいですが、合格すれば法律事務所への就職や転職の際に採用担当者の考慮の一材料になると思いますし、何より法律事務所で働く自分自身にきっと自信が持てるようになると思います。
事務職員能力認定試験については、日弁連のホームページで検索すると、受験要項や過去の問題と正答などが出てきますので、ぜひ参考になさってくださいね。
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