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パラリーガルコラム

はじめてのお遣いで何をしたか

2017.06.09 written by ずんだ係長

みなさんこんにちは。ずんだ係長です。

前回は,私の法律事務所でのある一日のスケジュールについてお話しさせて頂きました。今回は,「はじめてのお遣い」というテーマです。私が初めての法律事務所で行ったお遣いは,「自分の銀行口座の開設」です。給与振込口座を指定の銀行口座で作ってくる,というものですね。と,ここで今回のお話を終わらせるわけではないのですが,法律事務所には,一般企業ではなかなか経験できない特有のお遣いが存在します。今回は,その種のお遣いに初めて行ったときの経験から,どんな準備や対処が必要かについてお話ししたいと思います。

 

1 弁護士会で本を借りる・返す

私の事務所は東京三弁護士会(東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会)の先生方が所属しているので,霞が関の弁護士会館にある,東弁・二弁合同図書館と第一東京弁護士会図書室についてのお話になります。まず,「●●の本を借りてきて」という指示があったら,手ぶらで図書館に行けばなんとかなるものではありません。東弁・二弁合同図書館で本を借りるためには,図書館カードが必要ですし,図書館に入るためにも必要です。前記2つの弁護士会のうちどちらかに所属している先生ならカードを持っているはずですので,まずはカードをゲットしましょう。第一東京弁護士会図書室は,入るのに図書館カードは不要ですが,本を借りるためには必要ですので,この場合も持っていきます。

また,図書館に行く前には必ずそれぞれの図書館のホームページで,借りたい本をチェックしておきます。借りたい本が貸し出し中の場合があり,すぐに借りられない場合があるからです。その場合は予約を入れることができます。また,ホームページで,その本が図書館のどの棚にあるかも掲載されているので,事前に調べておけば時間短縮につながります。

なお,借りていた本を返すときは,図書館カードは必要ありません。図書館に入室する必要なく,返却ポストに入れればいいだけだからです。

ここで一つ耳寄りな情報です。図書館カードをうっかり忘れてしまった場合です。このとき,先生の職印を持っていればあなたはラッキーです。先生には申し訳ないのですが,先生の代わりに反省文を書いて図書館に入室することができます。あまり好ましくない状況かと思いますので,図書館カードは忘れないようにしましょう。

 

2 裁判所で書面を提出する・受領する

私の事務所では,裁判関係の書面は,裁判所に直接持参することが多いです(東京地裁・同簡裁・同家裁)。初めて裁判所に行く場合に忘れてはいけないのが,「職印」と「メモ」です。裁判所に書面を提出するだけなら職印は必要ないのですが,提出と同時に受領する書面もあった,なんて場合も多いので,必ず職印は持っていきましょう。

また,メモには,裁判所の担当部,事件番号,当事者名を必ず控えていきましょう。これがないと,広大な裁判所の中でどこに行けばいいのか途方に暮れることになります(事務所に電話して聞ける同僚がいればいいですが,ちょっと恥ずかしいです)。できれば,担当部が何階にあるかも事前に調べておけば効率よく立ち回ることができます。

 

3 役所へのお遣い

弁護士が職権で行える,職務上請求というものがあります。依頼者から事件の受任をして,相手方の住民票の写しや戸籍謄本を請求する手続で,主に郵送で市区町村の役所に請求して郵送で返送してもらう,というケースが多いですが,特に急いで取得しないといけない場合や,請求先の役所が近くにある場合は,パラリーガルがお遣いで行くこともあります。

郵送の場合は,基本的に職務上請求書と小為替,切手貼付済みの返送用封筒だけで請求することができますが,パラリーガルがお遣いで役所に直接行く場合,前記とは異なる持ち物が必要になります。職務上請求書(予め事務所にいるうちに記載・職印押印しておきましょう),委任状(弁護士からパラリーガルに対して「●●さんの住民票(取得したい書類)の請求・受領に関する一切の件を委任する」旨を記載したもの),窓口に行くパラリーガル自身の身分証明書,念のため弁護士の職印,取得したい書類の代金(小為替に代わるもの)が基本的に必要となってきます。できれば念のため事前に役所に電話して,必要な持ち物を確認しておきましょう。

 

いかがでしたでしょうか。はじめてのお遣いは不安だらけだと思います。

相談できる先輩がいて教えてもらえる環境だったら良いのですが,弁護士1名パラリーガル1名の事務所では教えてもらえる先輩がいなかったり,弁護士が忙しそうで声を掛け辛かったりするかと思います。でもそんなとき,一人で悩んでいても前に進めませんので,勇気を出して弁護士に相談したり,匿名で聞ける内容なら電話してどんどん聞いてしまいましょう。

法律事務所での仕事は,失敗してからでは遅い場合も多いからです。今回のお話が,頑張る若葉マークパラリーガルさんたちの一助となれば幸いです。

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